WORLD FAMOUS CHICKEN WING

●迂闊だった。
とうとう気付いてしまった。
大学時代の後輩、六代目のブログを見て。


そのブログで彼は、見る者を笑わすことに重きを置いている。
つまり小粋なジョークが、心暖まるユーモアが、全編にわたり展開されている。
問題は、学生時代に彼がその類のジョークを口走っているのを聞いたことがないということだ。
かの地から遠く離れた今、彼の新たな側面を見るはめになるとは。


さらに彼はそのブログに於いて、好きな音楽はテクノだと、
今日はダフト・パンクを聞いてノリノリだと、
ファットボーイスリムがどうたらと書いている。
なんてこった、
彼のその音楽趣味を俺が知っていればさぞかし会話が弾んだだろうに。


こうとしか考えられない。
つまり、彼はこの4年余り、分厚いマスカレードを被って俺に接してきたのだ。
「ここで俺がテクノ好きだとカミングアウトしたら、あいつが喰い付いてくるから、止めとこ」
「このキラー・ギャグをお前なんかに披露するもんか」といった具合に。


そっか、そうだったか。
それなのに俺の方は「例の銭湯に行って裸の付き合いを」なんて、馬鹿みたいだ。
滑稽の極みだ。
穴があったら入りたい。



そしてまた今日も名古屋が遠ざかる。





●追記
「Sweet Sweetback's Baadasssss Song」を観に行った。
認識を改める必要があった。
以前に観た「Superfly」や「黒いジャガー」「Coffy」とは全く別物だったのね。
産まれるべくして産まれとる映画と言うか、
振り上げられた黒い拳の、強度と必然性がガーンと伝わってきた。